M&A成功のポイント

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M&A成功のポイントを売り手側の視点で、私の経験を元にみなさんにも情報共有します。

M&Aに最適なタイミングを逃さない

M&Aには、最適なタイミングというものがあります。タイミングが良いと、思った以上に高い価格で譲渡・売却できたり、思いもよらないような最良の相手とめぐり逢うことができます。そのチャンスを得るには早めに行動を起こすことです。
とくに業績が良いときはM&Aなんて考えていない経営者がほとんどです。しかしこの時が会社としての価値も魅力も高まるため、M&Aがより良い結果につながる可能性が高まります。
常に5年先ぐらいを見据えて、会社の未来を考える上での選択肢の一つとして経営の舵切りをしていくことが大切です。

M&Aの知識を得る

M&Aの基本的な知識を得ることは、M&Aで失敗しないための重要な第一歩です。
まず、概要、自社に適した手法、全体の流れ、注意点、売却金額の落としどころ、シナジー効果が出しやすい相手先の選定など、考えなければならない事がたくさんあります。
まず、自身の心構えと、専門家からたくさんの知識を得ることが必要です。

売却価格の当たりをつける

「いくらで売れるのか」「いくらで売りたいか」ということは、会社売却を検討するさいに重要な決め手となります。M&A仲介会社や専門家に依頼して自社の売却価格について、おおよその目安の金額を知っておくことが大切です。
また、自社の強みや魅力を最大限PRし売却価格を引き上げられる可能性もありますが、ほどほどが肝心です。

会社のストロングポイントを明確にする

M&Aの売却価格は、貸借対照表や損益計算書などに示された数値以外に、将来の収益性や成長性などを加味して決まるのが一般的です。これらをPRできる魅力的な案内書を準備しましょう。
会社のストロングポイントを明確に記載し、数字だけでは伝わらない独自の技術がある、人材が充実している、将来性などをうまくPRする事により、相手企業もどんなシナジーがあるのか見極めやすくなります。また、リスクについても記載することにより、より良い印象を持ってもらいやすくなります。

業績向上・経費の整理

買い手はその事業を買収することで、さらに事業の成長を図ろうとしています。
買い手にとって承継後の姿をイメージしやすくなるように、事業を行うために必要な費用と、節税の性格が強い費用に分けて整理しましょう。

貸借対照表のスリム化

資産の中に、事業に必要のない資産が多く存在する場合には処分などを行い、貸借対照表のスリム化をしておくことも必要です。
オーナーと会社の線引きをしっかり行い、公私のけじめをつけましょう。
事業上の必要性が乏しい資産の賃貸借や社長しか利用しないゴルフ会員権の保有などについても早めに判断しておきましょう。

簿外債務の把握

簿外債務とは、貸借対照表に記載されていない債務です。
例えば、未払残業代や帳簿につけていない借金がある場合などがあるケースにおいて、もし何もせずに株式譲渡や吸収合併を行った場合、相手企業に引き継がれてしまうため、後々トラブルが起きる可能性があります。事前に整理できるものがあれば整理しましょう。

社長交代後を見据えた運営体制の構築

社長のワンマン会社では、買い手は買収後に事業経営に支障が出ないか心配になります。
いつ社長が交替しても事業が運営できる体制にしておくことも大切です。

分散した株主の整理

株式会社のM&Aにおいて、株主の意思統一は不可欠です。
株主がかなりの数にのぼる場合や会社にとって好ましくない株主がいるときは、できる限り事前に整理しておくほうが得策です。
買い手としても株主関係が複雑であれば及び腰になる可能性がありますので早めに手を打ちましょう。